日本韓国語教育学会 2023年度 第1回学術論文賞
受賞論文 「日本語母語話者に韓国語の発音はどう聴こえるのか―語頭平音に対する知覚実験をもとに―」第12号 pp132-158
平田 絵未(大谷大学)
受賞理由
平田氏の論文は、問題意識が明確であって、課題設定も申し分なく、先行研究、文献の探索が十分と認められる。また分析の切口が鮮明であって、論理展開も一貫性が見られ、内容の記述や説明が説得力を持っていると評価される。
その上、分析内容に独創性があって、日本語母語話者の学習者が韓国語を発音する際に、語頭の平音を有声音として認識することの証明によって韓国語発音の教授法の設計に有用な研究であると考えられる。特に、母音の円唇性とVOT値の相関関係を検証し、提示することで今後の研究上の方向を提示した点にその意義が認められ、当該分野の学問研究にも貢献していると判断されるので、平田氏に学術論文賞を授与する次第である。